東海道の旅

27:天上川を抜ける


(昔話)・・ふしぎな鏡石

(昔話集)・馬のすきな娘・他



土山宿・・草津線/貴生川駅

       甲賀市コミバス/近江土山

     あいの土山宿場まつり(10月

水口宿・・近江鉄道線/水口石橋駅

     水口曳山まつり(4月)



〜田村神社・・土山宿・・水口宿・・甲西(泊


 ホテルからはバスを利用して道の駅に戻り甲西駅まで25kmの旅の始まりだ。

 

 道の駅の前、国道1号線の向かいの田村神社の鳥居をくぐると、杉が生い茂る参道だ。坂上田村麻呂を祀った神社。お札を渡す窓口がずらりと並び大勢の参拝者がくるのだろう。

 

 隣の専門店でも売られていた名物(かにが坂飴)はほのかな甘さの昔飴だ。

店員に鈴鹿馬子唄に(坂は照る照る・鈴鹿は曇る・間の土山・雨が降る)の意味を聞くと。ここ土山宿は水口宿と鈴鹿峠を越えた関宿との間にある宿場で間の宿ですよ。との回答だ。

 

 大きな峠なので坂を登る時は晴れていても、峠では曇りになり、土山は雨になったのか。昨日は雨で峠を越したので晴れてくれた。

 

 電柱看板が不思議なモチーフで地元の人に尋ねるとお茶の花ですよ。昔からお茶の栽培をしている土山茶です。この先は旅籠の名残がありますよ。と教えてくれた。

 

 お茶畑の先に松並木がほんのわずか残っていた。小さな橋の欄干が白壁になっていて、そこに広重の浮世絵写真が数枚埋め込んであった。二つ目の橋にも同じように両側の欄干の飾りがある。

 

 ちょうどコンビニがあり昼飯を土手に座って食す。今日は上天気だ。

水口宿に入ると急に街になり城下町なのか枡形に曲がる間違いやすい街道になった。近江鉄道の踏切近くの喫茶店へ、金魚の話題で時間稼ぎして一休みだ。

 踏切を渡ると竹細工の水車などが飾られ、作者の老人が登場して長い説明が始まった。

 

 街道は野洲川にぶつかり横田渡跡の大きな常夜灯が置かれた公園だ。街道は右に行って車の激しい国道1号線の歩道を行き、歩道橋を登ると横田橋を渡り、三雲駅の正面に出た。

 

 くたびれたが休む場所がなく、駐車場の入口に携帯椅子を出して一休みだ。20kmは来ただろうか。甲西のホテルまであと5kmありそうだ。

 

 旧東海道は狭い道で草津宿まで続くのか。辺りは暗くなりだし、帰宅時間で車が増えだした。走り慣れた車はギリギリにすり抜けて行き、向かいからの車をうまい具合に交差する。

 

 小さな川は上流の山から流れ込んだ土石が徐々にたまり、川底は次第に上昇してこれに合わせて土手を築き、さらに土石は増えて、ついには川底は屋根を越える高さの天井川になった。

 

 土手は城壁のようになり、今ではそこをトンネルが通るほどになった。

トンネルは10mほど長さだが、車がやっと通れる狭さで歩ける余地はなく、車が来ない空きを見て抜けるしかない。さらに出口は曲がり、突進する車は見えない超危険な場所だ。

 危険トンネルは甲西駅までに3箇所あった。

 

 暗くなり駅の明かりが眩しいくらいだ。目標のホテルはまだ先なのか不安になった。踏切を越すと周囲が明るくなり、大きなショッピングビルだ。助かった。

 

 まずは食事だ、ホテルを見つけてからでは遅い。とにかく腹ごしらいにかかる。胃袋と疲れた足は満足して、落ち着きを取り戻すとなんとすぐ隣がホテルだったのだ。

 

 もう歩くのはやだよ。どうにかたどり着きフロントで明日の歩くコースの地図をお願いする。

2017/6/26


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