奥州街道Ⅱの旅

19:浅水宿・五戸宿


浅水宿・・・南部バス/浅水バス停

五戸宿・・・東北新幹線/八戸駅

        南部バス/五戸駅前バス停

      五戸まつり(8月)

(昔話)・・和尚さんと蛇



<浅水宿>


<五戸宿>


〜三戸駅・・高山峠・・浅水宿・・高屋敷バス停〜五戸(泊)


 東海道新幹線では流れる車窓から歩いた街道を思い出すことができたが、トンネルがほとんどの東北新幹線は一瞬に見える景色から奥州街道を思い出せない路線だ。

 

 乗り継ぎで降りた八戸駅は寒い。お腹が減ったのが原因かと思い弁当を買い込み待合室へ、丸太を切った長椅子がデンと並んでいる。カバー写真に誘われて買った弁当は大外れ。

 お茶で飲み込んだが、歯の隙間から驚きの味が染み出してきた。

 

 青い森鉄道の車内はエアダクトから冷たい風が出ていた。5駅先の三戸駅までの20分間で青森の気温に体は適応するだろうか。

 

 三戸駅から奥州街道に出た。ドブ板の歩道だ。街道は高山越えをして五戸町に向かうが昼過ぎのスタートになり、夕方まで歩いて途中からバスで五戸に行くことにした。

 

 三戸の町はすぐになくなり、小さなショッピングセンターに立ち寄ると、杖を2本ついた老人が車に乗ろうとしていたが、鍵を探すのに手間取り、ドアーを開けたが杖を車内に押し込めないでいた。

 エンジンが回る気配がない。同乗者を待っているのか、それとも危ない運転をするのか。

 

 急な下り坂をすぎると、集落の道に道標があった。他の場所でも奥州街道の文字を白ペンキで補修したり、黒のマジックペンで矢印を描いたり、太い丸太に文字を切り出した立派な物もある。

 

 森の道に入る手前で除草剤を撒いていた人に尋ねると「この辺は狐が多くいて、果物が熟す頃になるとクマが出るらしいよ。」雪は突然に胸あたりまで積もるとか。

 

 街道は右の道で高山峠越えして浅水宿までの(歴史の道百選)の始まりだ。

リンを胸からぶら下げ、ついでにストックに鈴を結んで、完璧なクマよけが完成した。

 チリンチリン、ガランガランと静かな森を騒がせて山道に挑んだ。

 

 標高差220m、3kmの登りはジリジリとまっすぐに北の向かい、森の中の一本道は車が走った二本の黒い轍が続き、真ん中の草が生い茂る場所が歩くところで、靴とズボンの裾を濡らした。

 

 草に覆われていた駕籠立場の道標が高山峠の頂上らしい、街道から外れて右に登る道があり展望台があるようだが立ち寄らないで降り道を進んだ。

 

 4km続いた下り道に飽きてきた。街道でなくて縦走路だ。

時折、ウグイスの声が聞こえ、春ゼニはもうニイニイゼニに変わっていた。

 

 浅水宿に入る手前から道標がなくなり、感を働かせてそれらしい方向に進んだ。わずかな距離だが初めて訪れる場所は遠く感じるのはなぜだろうか。

 

 県道なのか幅10セントの舗装部分と溝の蓋が歩道で、白線だけの歩道よりは安心できる。

路地に奥州街道の道標があったが、また森の中を登る道が3km続いてしまう。

 

 暗くなり始める山道を避けて、バス停留所のある2km先に進むことにした。

国道4号線と合流する場所に花が植えられ、奥州街道と削った巨大な石造りの道標があった。自動車のために巨額な費用を投じるなら旅人用に小さな道しるべを沢山作って欲しいなあ。

 

 五戸行きのバスがライトを点けてやって来た。

今宵の宿でご当地名物の馬肉を食べられるだろうか。

2019/7/21


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