会津への道

5:会津田島


(昔話)・・イワナの怪



〜七ガ岳登山口駅・・糸沢宿・・田島宿・・会津田島駅〜


 会津田島に宿はビジネスホテルと民宿があり、送迎バスのサービス付きの民宿にした。

 ビジネスホテルだと駅の近くで便利だが、対話がなく、狭い風呂に浸かり、狭いベットにころがって、テレビを見て、品数が少ないバイキング朝食を食べ、味気ない出発になる。

 

 昨夜の民宿は駅から3kmほど入った山の中腹だった。

薪や長靴で雑然とした玄関とカメムシの出迎え、部屋はストーブが到着を待っていた。

 20年ほど前は中華料理屋を営んでいて、東京から移住して民宿を開いたようだ。

一時期はスキー客で賑わったがここ数年は客がなくて久しぶりの対応のようだった。

 

 夕食は中華料理のコースだった。様々な話題で二時間を越してしまった。

いつでも入れるお風呂の宣伝で、ここを選んだ条件の一つだが、勢いのないシャワーと、腐りかけた重たい風呂の蓋は角が崩れ湯船に浮いていた。

 檜風呂だが足元は抜けそうなスノコ板で、朝湯は遠慮した。

 

 昨日の七ヶ岳登山口駅まで送ってくれた。15分間のドライブだった。

ログハウス作りの駅だ。昨日は山王トンネルを越えてやっと到着した駅だ。

 街道は会津線と並行して会津田島駅まで11kmの歩きになり平坦な道だし、ゆっくりと歩けそうだ。

 

 そろそろ雪の準備が始まっていて、家の周りに雪囲いをしたり、車のタイヤ交換をする人の姿があった。

 

 田島万古焼のお店は以前と同じに茶色の小瓶はなく茶碗と土瓶が並べ、お店の入り口はなく駐車場に面した窓際で展示販売している。作業場に若い人がいた。

 

 鉄分が多い地元の土で手作りの土瓶の素焼きには、アマガエルや鈴の飾りがあり、昔と同じデザインで、お年寄りの方が数人で作っていたと話すと母親たちで既に他界されたとのこと。

 

 信号待ちをしていると食堂から出てきた人にお店のおばさんが見送っていた。

ソースカツ丼が田島の名物らしいくノボリが立ててある。お店は(まりちゃんラーメン)さきほどの元気おばさんがまりちゃんだった。

 

 壁メニューは丼から溢れ出たカツの写真。

写真と同じ大盛りのソースカツ丼が現れた。特製キムチカラシが付いてきた。甘辛のソースがかかった揚げたての分厚いカツにカラシを塗ってガブリつく。

 

 昨日と違い帰りの電車まで時間はたっぷりあり、3km先の次の駅まで歩こうとしたが、次の駅から戻る電車がないのだ。仕方なく雨の田島を散策することにした。

 

 喫茶店があった。時間つぶしに丁度いい。

備え付けの郷土史を広げると宿の主人が話してくれたことが書いてある。

 

 7月の3日間、祇園祭は町内の女性たちが角隠しの花嫁姿になり練り歩き、大型屋台で

子供歌舞伎が興じられるとか。800年の歴史があるようだ。

 

15時発の東武特急と日光8号のジイアール特急を乗継いで19時に帰宅したが、会津は遠いね。

2017/11/14


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