中山道の旅

7:本庄宿・深谷宿


(民話集)・・本庄児玉の民話集



本庄宿・・JR高崎線/本庄駅

     本庄まつり(11月)

 

 


〜本庄駅・・本庄宿・・深谷宿・・深谷駅〜


  風もなく、穏やかな歩き日和で、深谷から本庄までと思ったが、本庄駅から歩くことにした。

本庄駅の商店街を抜け、住宅地を通り過ぎ、中山道は下り坂になり川を越した。

 

 振り向くと真っ白な山々が見え始めて、遙か遠くに来たものだと感じながら足を進めた。

 

 幾度目かの中山道歩きで一休みできるお寺探しが上手になり、トイレがあると使用料代わりに

お賽銭。昼時にお寺を訪ねると誰もいない、坊さんは早朝のお勤めでお昼寝中だろうか。

 

 街道は滝岡橋を渡るので土手を上ることになった。ふと下を見ると草取りをしている農家の方がいた。何か植えるのですか、と声をかけると、「草を刈り取っているところだよ。」と返事だ。おばあさんかと思っていたが、歯が抜けかけたお爺さんだ。「どうだい長芋を持ってくかい。」と言いながらムロを掘り始めた。「この辺はタヌキがいて作物を荒らして困るよ。」と言いながら

 大きく太い長芋を4本もくれた。お返しにとバナナを渡した。

 

 立派な長芋、新聞紙でくるんで、大切にリックに入れたが、大きくて先っぽが飛び出た。

もしかして、わらしべ長者になれるかと期待しながら重たくなったリックを担いで進んだ。

 

 道の駅で昼食にありつき、売店で長芋の値段を見つけた。オー高いぞ、儲かった。

付いてる日だ、出がけに買った宝くじ、前後賞が当たれば5億円が貰える。期待が膨らんだ。

 

 深谷の駅が近い。街道にプーンとお酒の香りが漂ってきた。

酒造店の土間に酒が並んでいて、誰もいないので声をかけると。

 

 1863年創業とか、店の奥が酒蔵らしい。一番美味しいお酒は、と訪ねていると奥から

主人と2人の姉妹が出てきた。何も買わないで店を出にくい感じがしたので、小瓶の新酒

酒粕を買うことにした。ここで先ほどの長芋と交換するか、と思いが横切った。

2012/2/16



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