草彅・・江尻宿・・興津宿・・薩埵峠(107m)・・由比駅〜
昨夜から降り出した雨は、あの箱根と比べると小降りだ。
清水駅前の東海道もクネクネしてから駅前付近では直角に曲がり、3時間歩いて興津駅に到着した。
海に近くなったが国道と静精バイパスが海を追いやってしまい、海岸線を観ることができない。
さった峠は東海道線の下を潜る道だった。興津駅から1時間の距離だ。さった峠の入口看板に上道、中道と下道が描かれていた。
上道は東海道の難所であった峠越えが有り、下道は海岸線を渡る道で打ち寄せる波が引いたとき急いで渡るルートで越後の「親知らず子知らず」の似た危険な道だったとか。
中道は迂回しない道で、峠越えの道の手前で上道と合流するので僅かに短い様だ。
海岸線から離れて坂になり車は登れそうな道で、その先の下り坂が中道である。
さった峠の登り道が見える休憩所で一休みして、ついでに綺麗なトイレを借りた。峠の登り口にストックが立てかけてあり、峠登りに役に立ちそうなので借用する。
登りやすい階段が付いた道で、朝からの雨で滑りそうだが、息が切れる前に峠に到着した。
展望台の真下に自動車道路が走り、曇り空で正面に富士山があるはずの写真で満足して、晴天の日にライブカメラの映像を寝転んで観てみようかな。
なだらかな降り道を水たまりを気にしながらしばらく行くと駐車場だ。お世話になったストックを返却し、これから舗装道路の急な降り坂になった。
山崩れの防止工事をやっているが大きな地震が来れば下を通る鉄道と国道は埋まってしまうのだろうが。
峠は山と海が競っていて、地震の影響も有り、隆起と崩壊をくり返す場所で、海との境目に国道と鉄道が走り、高速道路は峠の中をトンネルで抜けている。狭い場所に交通路をまとめたのだろう。
ビワの産地で木のてっぺんまで袋をかぶせてある。どうやって高い所に袋を付けたのか疑問だ。しかも右側の崖と左の山際にもビワの並木だ、とんでもない急斜面で作業したのがすごいぞ。
錆び付いた農業用のモノレール軌道があちこちにあり、急斜面の上り下りに使ったのだろうか。白い袋が花のように満開だ。ついに雨が降ってきてしまった。
峠道を下ると、街道の両側に家が現れた。昔は家の下まで波が来ていたようだ。今は国道が沿岸から鉄道を離したが、以前は鉄道の脇に防波堤があって魚が干してあった。
蒸気機関車が引く列車でこの付近から海が見えて、ユックリ走る車内から干し魚が取れそうだった。
峠を下りてから駅までの間に沢に掛かる小さな橋がいくつかあり、木で作られたような欄干だ。旅籠や桜エビの食事処が有り、往事の町並が保存されていた集落を通り抜けた。
由比駅に到着したが雨はまだ降っている。これから新蒲原までは6kmあるので、ここで中断した。
2016/5/16