会津への道

7:芦の牧温泉


(英国昔話)・・三匹の子豚



七ヶ岳登山口駅

 

湯野上温泉駅

弥五島駅



 久しぶりの14kmの歩きで疲れたのか、川の音も気にならないで朝になった。夕食の時に大声を出していた客がいた。地声が大きのか、耳が聞こえない人がいるのか。

 

 我が家の二日分の夕食のような朝食だ。旅館の定番の納豆、焼き魚、のり。梅干しはない。

給仕の若女将からフワーとした会津弁のイントネーションが聞けた。会津方言は東北弁とは異なり、方言辞書がネットにあるほどだ。若女将は標準語で話しているが会津なまりの旋律が大声に疲れた耳を癒してくれた。

 

 急に寒い東風が吹いてきた。昨日とは10度低く、降り出しそうな曇り空の1日だ。

夏用の装備ではちっと涼しいぞ。

 

 湯野上温泉駅に出て、昨日の弥五島駅に戻り、芦の牧温泉を目指す18kmの歩きだ。弥五島駅はレンガを積み重ねたような小さな駅舎、1日の利用客は40人とか。

 会津鉄道は「三匹の子豚」をイメージして駅舎を作ったのだろうか。

七ヶ岳登山口駅はログハウスだった。湯野上温泉駅は茅葺、そしてレンガ造りの駅舎だ。

 

 昨日駆け込んだ道は左手になり、右手方向に進む歩道は幅が広く舗装の隙間にタンポポが根付き、丸い黄色花がはるか先まで帯状に咲いている。

 

 2kmほど行くと観光地(塔のへつり)駅に出た。林の中の駅で周りに何もない。道の脇に雪の溶け残りだ。まだ4月だ。遠くに雪を残す那須の三本槍岳があった。

 坂を下るとお土産屋の集まる場所に出て、さらに下ると阿賀川にかかる吊橋だ。吊橋が揺れて怖いとそこから引き返す人や、橋を越して対岸の岩場を歩けない人もいる。

 川の流れなどで断崖の一部が削られてできた凹みが続いていて、天然記念物だが、以前ここを訪れた時はくぼみを歩けたが、土砂崩れで進めない状態だ。

 

 国道は車が激しいので林の中の裏道を進む。街道筋に蔵があり、トタンで補修した屋根の大きな家もある。

阿賀川を左に進むと昨夜の宿があった。湯野上駅は近い。コンビニで弁当を買い、駅の足湯にひたし昼飯を。小さな花が綿菓子のようにふっくら集まった八重桜が咲いている。

 

 県境の山王トンネルは全長が450mであったが、沼尾トンネルと下郷トンネルが連続で1600mになり、50cm程の歩道が付いている程度でトンネル内は照明されていたが、ヘッドランプを装備して、大型のバスやトラックが横をかすめる度に車路側の耳を押えて体をかがめて爆風に耐える歩きだ。宿近くなり全長340mの芦の牧トンネルだ。

 

 トンネルの狭い歩道歩きは、尾瀬の木道歩きに似て道から外れない歩きで疲れるのだ。

予約した宿は国道から坂道を下ったところにあり、超熱めの温泉だった。

2018/4/23


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