中山道の旅

24:馬籠宿


(伝説)・・男滝・女滝



馬籠宿・・JR中央線/中津川駅

       北恵那交通/馬籠バス停


妻籠宿・・馬籠峠(801m)・・馬籠宿・・馬籠バス停〜


 今にも降りそうな空は、重たげな雲に塞がれていた。ところが峠を登り始めると強い日差しに一変した。日が照ると新緑に埋まった山の所々から白い湯気がわき出て雲に吸い込まれる。白竜が天に昇って行くのかな。木々の生い茂る木曽路は汗に濡れた下着では寒さを感じるほどだ。快適なハイキングコースの登りが続いている。

 

 街道脇に熊よけのカネが吊るされてた。思い切り打ち鳴らし、腰には妻籠宿で借りた熊よけの鈴が鳴っている。これなら安心できる。

 

 針金で囲った小さなタンボだ。植えたばかりの苗たちは雲に向かって真っ直ぐに立って雨を迎えている。ここでタンボの手入れをした人に出会えた。

 

「小さな農家ではタンボを造ったり、山を育てたりしないと暮らせないよ。自分でお米を作ると、色々と工夫できて楽しいし、手入れ次第で、できばえが変わるのが分かるよ。

 あんた達、中山道を歩いているのかい。アルチュウだね。最近は多くなってきたようだ。中にはランチュウがいて?らんちゅう、金魚じゃあ無くて、ランニング中毒だよ。」

 

 森が開けて広場に出た、茶店が出現した。いろりに薪がくべられ、煙の香りと、ほんわかする暖かさがあった。お茶を勧められ、ついでにペットボトルにも注いだ。

 

 ここに立ち寄った人達の嬉しいメモ記錄が書かれていた。外国語も書かれていた。アメリカ、スイス等々、世界の人たちがここに立ち寄って、妻籠宿と馬籠宿で江戸の名残を見学に来ているようだ。

 

 馬籠宿まであと少し、小休止していると外人の二人ずれが来た。にっこりを会釈してた。小さなナップザックだけを肩にかけていた。もうじき強烈な雨が来る予感がして、その二人ずれに注意したが、ザックを叩いて大丈夫との合図だった。

 

 数分後に予期していた大粒の雨がやってきた。近くのアズマヤは雨宿りの人で一杯だ。

 

 中央道馬籠バス停から眩しく輝く新宿に向けて高速バスは走り出した。

2013/5/30



次は何処の宿場