中山道の旅

22:須原宿


(昔話集)・・木曽の昔話



須原宿・・JR中央線/須原駅

 

 


(伝説)・・浦島太郎

    ・・岩出観音



〜木曽福島駅・・須原宿・・大桑(泊)


  早起きと快適なバスでひと眠り、宇宙船で時空移動したのか、知らない間に景色が変わった。

気持ち良く目が覚めるとすでに甲府盆地を過ぎて、バスは諏訪に向かって登り始めていた。

 

 バスは木曽福島駅に到着、満開だった桜は緑の葉を付けて、華やかだった枝にはちっぽけなサクランボがぶら下がっていた。

 福寿草が咲き、ツクシが頭をもたげていた野原は、色鮮やかな花が咲き乱れ、軒先の小さな鉢も満開で、ツツジやサツキも咲いて、春が真っ盛りである。どこの家も花屋さんの店先の様です。

 

 中山道は両側を山に挟まれ、木曽川と中央線と国道が緩やかな下りながら、向の山に続いていた。19号線の狭い歩道が中山道だ。山際の道をトラックに追い立てられて行くしか無い。

幸いにもまだ雨が降らないが、雲が覆い被さり、雨はやってきそうだ。風が吹くと瞬く間に降りそうだ。

 

 上松宿で寝覚の床を見学したが、木曽路の浦島伝説ははたして、と考えながら歩を進める。

 

 国道から離れ須原宿に入ると、丸太をくり抜いた水船からためた湧き水が流れ出ていた。直径が50cmほどのサワラの木を、長さ2mぐらいに切断して、船の形に仕上げて、左側から水を入れて、右側に水が出る竹筒が差し込んであり、そこから木の桶に水を貯めてから、下水に流がしている。水船は木製なので、5年おきぐらいに交換しているようだ。

 

 雨は止む気配がない。大桑駅近く、国道沿いのビジネス旅館ならロビーに明るい喫茶室があって、と勝手に想像して予約したが。かび臭い廊下に暗らい電灯の明かりが点っていた。通された部屋でビックリ。床が傾いている。およそ5センチは沈んでいた。窓の下は何と崖、竹や木があるので何とか保っている。

 

「お風呂にどうぞ」と誘われて、段差と傾斜が続く暗い廊下を進む。本場の木曽ヒノキのお風呂が待っているだろう。だが、驚きと恐ろしさがあった。

 

 風呂場には長方形をした箱がある。ヒノキ造りだ。縁は股下を直撃するほどの高さだ。それを両手で持って体を持ち上げて入る。湯は50センチほど貯めてあった。体が染まりそうなたっぷりの入浴剤入りだ。

2013/5/28



木曽の関所

橋の欄干を叩くと木曽節の音

ビジネスホテルの裏下に木曽川



次は何処の宿場へ